201709041200
dieS・坂倉亮の卒業の報せを受けて思った事。
長い上に自分語りがある。
dieSを初めて認識した時に抱いた感想は「二人組のバンドなんだ」。
私がdieSの名前を知る切っ掛けを遡ると、2011年の新潟黒限でアンミュレを初めて観た事からだった。
当時デスゲ動員の私は新潟にギャの友人が居る事もあり遠征を決めたは良いが、暗黒界隈や手刀界隈を微塵も知らなかった。
友人にアンミュレのオススメを教えて貰い、いざ生でステージを観聴きすると凄く肌身に合っていて直ぐに音源を集め出した。
聴き始めると更に興味も湧いて、アンミュレのライブが何処か近場で無いかと思いスケジュールを確認してみる。
するとよく対盤をしていると思わしきバンドの名前が目に付く。
dieS、何となく気になり調べてみると正式メンバーが二人編成と言う事が分かった。
へえ、二人組のバンドなんだ。
アンミュレとよく対盤してるしきっと仲の良いバンドなんだな。
結局当時住んでいた地域付近ではアンミュレの目ぼしい公演は見当たらず、特に深追いもしないまま思考を別の話題に移したんだと思う。
初めてのdieSとの会遇はそこで終わった。
次にdieSに触れたのは4年後の2015年。
2014年末にデスゲが活休してしまい、溢れるばかりの熱量を注ぐバンドが無くなってしまった事で常にフワフワしていた。
入れ込めるバンドが無いのに渇望状態で野良バンギャル紛いの様になっており、たまたまアンミュレ主催で、STEREO.C.K、モノカー、DOFの対盤がある事を知り観に行った。
そこでアンミュレの物販に並ぶDIES N' ROSéSを見掛け、アッそう言えばまだ買ってない、と思い購入した。
帰宅しiTunesに取り込む。
確かアンミュレとdieSのツーマンツアーの音源だよな、荒瀬パイセン声が良いって話だしバレリーナのカバーだし楽しみ~、と軽い気持ちでdieS ver.のバレリーナから聴き始めると陳腐な表現になってしまうのだが目の前に光が飛び散る様な感覚に陥った。
原曲の呪術的な趣とは全く違うロック色の強い編曲、それでいて違和感が無く耳に飛び込んで来る音。
そして何より荒瀬大の声が好みで、本当に恰好良くて延々と聴き入ってしまった。
これが2回目のdieS会遇、これ以降私はdieSの音楽に夢中になってしまう。
音源を手元に揃え聴き込むと如何せんライブに行きたくなる性根なのだが、中々都合が合わずやっとの思いで初めてdieSを生で観たのが2016年7月30日のワンマンだった。
念願叶ってのdieSのライブと言う事もあり、自宅を出る前から溢れる期待と緊張で吐きそうだった。
実際の所この日の公演中の具体的な記憶は割と無いのだが、只管に楽しくて兎に角幸せで。
このバンドにずっと付いて行こう、そう強く誓った事は紛れも無い事実だ。
2017年9月4日正午、亮さんがdieSを卒業する、2018年は制作期間に入りライブについては決まり次第報告、これを読んだ際に真っ先に思った事は「何でもっと早くにdieSにハマらなかったんだろう」だった。
自分の記憶を呼び起こすと6年前から私はdieSにちゃんと触れる機会は幾度もあった筈なのに。
曲を聴き始めて2年ちょい、ライブなんてまだ1年位しか観れていないのに。
私の大好きなdieSが一つの終止符を打ってしまう。
自責の念と後悔が頭の中をグルグル廻り視界が歪んでスマホの画面が何も見えなくなった。
何とか目を見える状態にして亮さんと荒瀬のコメントに目を移す。
2017年12月末日のワンマンをもってdieSを卒業
「脱退」ではなく「卒業」という言葉
約15年間共に音楽活動をやってきた唯一のメンバーであり、仲間を越えた家族のような存在
もしお互い違う道を思う日が来たら真っ正面から必ず打ち明けて
真っ直ぐお互いの目指す道を行こうと
その時が
ああこれはきっと前を向いた二人の決断なんだな。
決して言葉を長く多く綴っている訳では無いのに文面から真摯さが伝わって来る気がした。
亮さんと荒瀬はお互いの意見を尊重し、dieSやdieSに関わっている総ての人の今後、それぞれの未来、これは願望だけれども報告を受ける中毒者やdieSを聴き知る人達の事も真剣に考えた上でこの答えを出したんだろうなあ、と。
私は二人の答えを受け入れて、亮さんの最期の日まで見届けたい。
そう思っている筈なのに文面に目を通す度に涙が止まらない。
亮さんが"卒業"と言う言葉を選んでくれた事、"僕は前を向いています。"と仰ってくれたからにはdieSの坂倉亮を最期の日まで笑って見届けるべきなのに。
寂しい哀しいずっとdieSの亮さんで居て欲しい、どうしてもエゴの塊が邪魔をしてきて上手く息が出来なくなる。
亮さんと荒瀬のコメントを何度も読み返している。
dieSと言うバンドを"荒瀬大"と"坂倉亮"の二人が12年間続けて来てくれたから私はdieSに出逢えた、生きる事が今自分の人生の中で一番楽しい。
亮さんの卒業と言う報告を受けて、荒瀬の隣でいつも亮さんが穏やかに笑っている光景は私の中で安心感に繫がっていたんだなと初めて気付いた。
二人が真っ正面から打ち明けて、真っ直ぐお互いの道を行くと誓い合ってその時が来たのなら、今回のこの話はきっと素敵な報告なんだと思う。
亮さんが安心してdieSを卒業出来る様に、dieSを卒業した亮さんの未来が素晴らしく輝かしい物である様に、私は精一杯応援したい。
でも2017年12月の最期の時まで、残り4ヶ月間。
私の大好きなdieSを目に焼き付ける様に、彼らの構築する愛して止まない世界を全て受容して精一杯楽しみたい。
dieSに良い顔で逢いに行きます。
2018.06.21 / privatterより転載
0コメント